今日は三年生の練習、「横パスのテクニック」をテーマに練習を行いました。
前回のロシアワールドカップでは、日本代表は縦パスのスピードは早いけど、横パスはトーナメント進出他国と比べて「遅い」というデータがありました。また以前、コーチ向けの講習会に行ったときにも、「横パスのパススピード」のことは、一つ話題に上がりました。
相手を引きつけるために、ゆっくりした横パスというのもあるのではないか、そういう疑問が出ました。しかし現代サッカーでは守備レベルが上がっているので、パスのスピードによらずパス先には必ずアプローチがある。あえて「ゆっくり」のパスを出さなくても相手のアプローチがあるのだから、横パスも速いに越したことはない――第一線では、そういうことでした。
しかしこの横パスのパススピード、今日三年生は苦戦していました。速く蹴ろうと力むと「正確性」を失ってしまいます。「テクニック」は「判断」を含んだ概念なので、「パスのテクニック」テーマの場合は、このジャッジが難しいのです。すなわち、「判断ミス」なのか「技術ミス」なのか。
例えば、選手がオープンスペースへのプレーを促すようなパスを味方に出したとします。それが、速く蹴ろうとして力んでしまい、味方の動きを止めるようなパスになってしまった――これをどうジャッジすべきでしょうか。
速く蹴ろうとした「意識」と「チャレンジ」は良いですよね。また、スペースも見えているから、「判断」としても良かった。足りなかったのは、「キックのスキル」ということになります。これを正しく選手自身がジャッジしていないと、その「テクニック」は向上していきません。
そしてこれも、練習あるあるですが……上記のようなミスは、ポジティブなミスで本来的には良いものです。ところが、ポジティブなミスでも、ミスが多すぎる場合、次第にゲームが混沌としてきて、何が良くて何が悪いのか、選手自身もわからなくなってきます。たぶん、サッカー経験者なら多くの選手が、そういう状況を経験しているのではないかと思います。
さて、三年生の話に戻りますが、「横パスのテクニック」で、多くの選手が、「判断」ではなく、「横パスのキックスキル」に不足がありました。またこの「キック」というのは、蹴る瞬間だけを指すのではなく、「ボールを保持している状態からボールを離すまで」全てが対象です。
三年生へ(練習のヒント)
日頃、「蹴りやすいところにボールを置く」を意識していると思います。しかし実際のゲームでは、ボールがどこにあっても、即座に蹴れる状態を作る必要があります。自分のキックが出来る場所が一つだけだと、その一つを潰されたときに、蹴れなくなります。ファーストタッチの場所、ボールを持つ位置、蹴れる場所、これを複数持てているでしょうか。