U-15地域交流大会、ここまでは2勝1敗――内容的に、初戦からだんだん良くなっているのが嬉しいところ。今日はここまでの3ゲームを、活動内容と絡めて総括してみます。

 

この3~4週間のうちにU-14、U-15の選手ともに明らかに良くなったのは、「ボールを奪う能力」です。特に前線でのプレッシングは、非常に良くなり、どのゲームでもこれはかなり有利に働いていました。そして二つ目にGKの能力の向上。この2点が、この期間で一気に変わった部分です。

 

実はU-14は8月9日に行ったクレセル戦以降、その部分に取り組んでいました。あのゲームでは、ボールを奪いに行けず、それが原因で主導権を握れませんでした。一方U-15の方、三年生も8月中旬では「ボールを奪う」に取り組んでいました。8月22日に高円宮杯――FC目黒戦では、まだ未完成ながら、その前半では良いプレッシングをかけることができていました。後半それができなかったことが、この試合での最も大きな敗因でした。U-14もU-15も悔しい敗北をしましたが、振り返ると、これが良い薬になったのだろうと思います。

 

U-15の方では、招集されている2年生が非常に良いパフォーマンスを見せています。一方三年生も、先日のレッドスター戦ではメンタル部分の成長が見られました。それは前半、0-3と点差を広げられた後も、「戦う」ことをやめなかった点です。それが後半、2点を取り返し、雰囲気を作って、逆転できるかもしれない所まで試合を持って行けた原動力でした。前半の最初の15分は、今までの試合にない主導権争いの迫力が随所にあり、見ごたえがありました。エルシエロ戦ではそこで点を決めることができ、レッドスター戦では点までは取れませんでした。が、レッドスター戦、先制点を取られたあとも、戦う姿勢が崩れなかったことは、本当に成長したのを感じました。

 

一方、改善点も明確に出てきています。カフリンガ戦、エルシエロ戦と、2点を序盤にリードしておきながら、そういう展開に慣れていないせいか、有利なはずなのに不利な局面を増やしてしまいました。ただ、そういったゲームをここで経験できたので、次同じ場面になったときは、もう少しリラックスして戦えるのではないかと思います。

 

もう一つ、この期間で自分も実感したことがあります。それは、「個の育成」についてです。U-15,U-14のゲームの中で、「ボールを奪いに行けるようになった」、「点を取れるようになった」というと、戦術がそう機能したように感じてしまいがちですが、実際は、そうではありませんでした。ボールを奪えるようになった選手が出てきた、決定力の上がった選手が出てきた、GKが上達した、だから勝てた――チーム全体で、というより、個人の能力が上がったから戦術も機能するし、結果も出た、順序としては、そんな感じです。実際、チームとしては「奪いに行く」というテーマで取り組んでいても、その力のまだ未熟な選手は、その場所からピンチを作られ、そこがチームの急所となっていました。

 

つまりどういうことかというと、「全体をうまくする」というぼんやりした考え方では「チームの成長」はできない、というのがこの一か月の私の強い実感です。1人、2人の選手の成長がチームの勝敗に直結していました。思えば今までもそうでした。意欲的に取り組んでいる選手を上手くする、選手が一人伸びれば、それがそのままチームの成長になる――。よく、「個に頼ってる」という言葉は、サッカーを評論するときに、悪い意味で使われたりしますが、「頼れる個を育成する」のが育成の至上命題ではないかと思うのです。

 

そんなことがわかってきたこの一か月、今週からまたトレーニングです。「底上げ」「全体」と考えると、「無理やり」になってしまいます。でもそれは、もしかすると互いにとって不幸かもしれません。種はまくけれど、まだ芽が出ないなら、水はやりすぎない――。選手が「気づいた」時に背中を押してあげる、それくらいがいいのかもしれません。決して熱量の低い練習をしているわけではないですが、結局は選手の「上手くなりたい」が上達の土台にあるので、指導者としては、選手のその熱量の見極め、背中を押すタイミングの見極め、そこかなと思っています。

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火曜日, 9月 15th, 2020 at 2:44 PM
Category:
練習, 試合
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